ストラスちゃんネット

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『Will -素晴らしき世界-』願いは叶い、望みは叶わず、儚い祈り

開発元はWMY Studio。

パブリッシャーはPLAYISM。

『Will -素晴らしき世界-』というテキストアドベンチャーゲームが発売されました。

中国のゲーム会社が開発したソフトでして正確には発売済みだったのですが、日本語版が6月1日からアップデートで対応しました。

私は寡聞にして知らなかったタイトルなんですが、即購入しました。

ちなみに今はPCのみですが、PS4でも日本語版の発売予定があるらしいですよ。

 

store.steampowered.com

 

playism.jp

 

 

 

私の伝えたいことは、まずこれなんです。これ。

 

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このセンス抜群のタイトル画面!!!

これ見ただけで要素が全部詰まってるじゃないですか!

お洒落なインターフェースにタイトルロゴ。

どこか嬉しそうな表情で物思いに耽って手紙を書く可憐な少女。

中国開発なだけあってチャイナドレスがキュートです。

願いと、素晴らしき世界。

もうハッピーエンドしか見えない幸福そうな物語が待っているのは明らかです!

 

ここにビビッと来て、ちょっと情報見て、更に、ザッピング型のノベルゲームだと知って。

 

そして、PLAYISM繋がりでAUTOMATONの記事も見ました。

jp.automaton.am

jp.automaton.am

 

実は下の記事は読んでないんです。

読む必要もありません。(もちろんクリアしてからは見ます)

ザッピング型で街と428の開発者と対談して、もうこんなの遊ばないわけにはいかない!

だから何も情報入れたくなかった!

 

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ということで買いましょう。

 

あ、これだけは伝えておきたいのですが、このゲームをやる方は難易度インポッシブルでやりましょう!

ヒントが表示されなくなりますが、大丈夫です。

ぶっちゃけ総当たりで必ず正答を見つけられますし、どうしてもわからなければエピソード単位でヒントを表示することも出来る親切設計です。

でも、ヒント見ずに自分で推理した方が確実に物語を楽しめます。

なのでインポッシブル推奨です。

 

 

 

…と、これで終わるわけには行かないので、現在1周?(この表現が当てはまるか微妙なタイプのゲームですが)終えて一段落ついたところでいても立ってもいられずおすすめレビューを書こうと思った次第です、はい。

クリアしてないので致命的なネタバレはしようが無いです。

だからちょうどいいかなって。

 

今日配信です!という上記の知らせを見て、金曜日だったこともあり、週末はこれをやろう!と決めて昨日はウキウキで退社しました。

そのまま走り出そうかという勢いで。

降って湧いたような幸福が、私の元に舞い降りた気分でした。

期待感が胸にあふれて。そう、世界は美しい!

 

 

 

個人的な事情はこの辺にしてゲームの話に移りましょうか。

もう一つ購入の決め手があったんです。

それがこれです。

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かなり独特なシステムですね。

各キャラクターからこの二人(1匹?)の元へ願いの込められた手紙が送られてくるのですが、その送られてきた手紙を分割したテキストブロックを入れ替えて結末を変える、というパズル風味なアドベンチャーなのです。

冒頭にあったタイトル画面のこの子は物語に直接は出てきません。(今のところは)

 

さらっとあらすじを紹介すると、記憶喪失の女の子はイシ(イヌじゃないよ)からあなたは神様であるということを知らされます。

ここは二人の住む神様の部屋で、ここには毎日願い事の込められた手紙が届き、その願い事を叶えるのが私達のお仕事です。

タイトル画面はまさにそのシーンなのですね。

ここで手にしているペンが魔法のペンで、なんと手紙を書き換えて物語の結末を変えることが出来てしまうのです!

 

一つ一つのエピソードにエンディングは複数あり、選択肢を入れ替えるごとに変わります。

(流石に全ての組み合わせにそれぞれのエンディングがあるわけではありませんがw)

エンディングには評価点があり、基本的には願いを叶えて最高のSランクのエンディングを目指して物語を進めていくことになります。

わかりやすいですね。

システムのチュートリアルもとっても親切です。

 

チュートリアルの話に戻りますが、単純なノベルゲームと比べるとルールが複雑だし攻略が難し目です。

エピソード単位でならSを取るだけで終わっちゃうけども、これは群像劇の物語なので、その結末が相互に作用してくるのです。

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二つのエピソードが交わるとパズルとしても難易度が上がって面白いです。

そしてなんと言っても、

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『俺は”尻尾”を伸ばした。』って、左の猫ならわかるけども右の男にとっては意味不明ですよね。

それに、猫が銃を構えたり人が干し魚を持ち上げたり、もうしっちゃかめっちゃかです。

 

これがこのゲームの面白いところで、(あからさまに矛盾したものはシステムで弾かれるのですが)全てはちゃんと解釈が通じるように作ってあるのです。

ここでの”尻尾”とは、実は右の男の使う武器の愛称なのです。

初出で、変な名前の武器だな?と思っていましたが、ここに繋がってくるとは…と、思わず感心しました。

先程の矛盾したものはシステムで弾かれるという話については、画像内の矢印や、ここには無いですが優先順位が決められた数字などがあります。

このルール作りはパズルとしての面白さにも繋がってきます。

ほんと、よく出来たシステムです。

 

左右の言葉を入れ替えると意味が変わる”というのがこのゲームのなによりの発明で、それが意識して作られているのでたくさんの発見があります。

短期的な楽しみはこれです。

試行錯誤しながら様々な結末を見て楽しみながら物語を進めることが出来ます。

 

ところでこれは一体…?

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操作としては、一般的にはテキストアドベンチャーと言えばマウスで遊ぶものでしょうけども、個人的にはこのゲームに関してはマウスよりもコントローラーの方が遊びやすかったです。

ゲーム側でもコントローラー設定が用意してあります。

 

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短期的な目標を達成しながら物語は進みます。

大抵の人は多少の懸念があろうとも全てSランクを取りながら進めていくことでしょう。

私もそうでした。

先のことなんてわかりません。

眼の前の問題を一つずつ片付けていくことで未来は開けていくのだと、そう信じなければやり直しの利かない人生を生きていくことなんて出来ません。

Sランクを取ることは各キャラクターの願いを叶えることで、このゲームは願いをかなえることが目的なのでそれが正解です。

これで、素晴らしい世界が見れる

そのはずなのです。

 

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彼女は万能の神です。

人々の未来を変えることが出来ます。

そして、私と、彼女は、人々の未来をどうしようもなく変えてしまうのです。

願いを叶えて、望みは叶いません

人々がこうしたいという願いが、必ずしもいい未来に繋がるとは限りません。

ですが、私と、彼女の仕事は願いを叶える事なのです。

それが正しいことなのです。

そして、正しい選択の結果は私と、彼女の責任になるのです。

全てを知ってしまった今、過去の出来事が、歯車の変わってしまったあの出来事が、頭をよぎります。

 

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幸運なことに彼女は神様なので、一度見た物語の結末を変えることが出来ます

 

さぁ、ここからが本番です。

人々の本当の願いはなんなのでしょう?

望みはどうしたら叶えることが出来るのでしょうか?

 

私もこの先の物語は未知の世界です。

それでもきっと、最後には素晴らしい幸福な世界が待っているのでしょう。

そして、それを掴み取るのは私の選択です。

 

 

 

物語は複雑な時系列で絡み合い同時に進行します。

 

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場面・人物によってインターフェースやイメージカラー、モチーフデザインが細かく変わるのでややこしい物語を読みやすくしてくれます。

後々の展開に関わる重要なテキストは色付けされていたり、配慮がよく行き届いているのもポイントです。

 

そういえば、日本語化に対しての言及を失念していました。

というのも、プレイを通じて全く違和感なく自然です。

「意識高い系」なんて言葉が出てきたので逆に中国語でなんて表現してたのかが気になってしまいました。

むしろ、原文にも日本語が出てくるみたいだし、日本(及び日本のADV)好きな方が作っているようなので心配は不要です。

 

追記

詰まってしまった人のために、簡単に伏せ字で攻略情報を書いておきます。

一応中文だと攻略があるので、どうしてもわからない方は探してみてください。

[spoiler]

大体の人は全てSランク取得を目標に進めると思いますが、
最後まで行き着くと次にどの運命を変えれば良いのか?で止まってしまうと思います。
その時は白地のエンディングマスの評価を変えてみてください。
それがフラグになっているので、ひとまずは先へ進めるはずです。
もちろん道中の空いてる結末を埋めていっても新しい発見があります。
やっぱりこれだけの人数がいるとどこで何が起こったかを覚えておくのは難しいので総当たり的プレイになるのが欠点ですね。
出来ればオレンジのヒントをメモしておいたほうがいいかもしれません。

その先は私も攻略中なのでわかりません。
一応中文だと攻略があるので、どうしてもわからない方は探してみてください。

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wmy-studio.com

 

wmy-studio.com

 

まぁなんかちょっと上のタイトルは怪しいですけど、気にしなくても大丈夫だと思います。

 

近頃はこういった日本に影響されたテキストノベルをその国独自の文脈で再構築した高品質なADVがいろいろと出てきて本当に嬉しいですね。

 

ベネズエラのVA-11 Hall-A然り、

韓国のAnalogue: A Hate Story然り(これ舞台は韓国だけど開発はカナダ人だったんですね!ちなみに持ってるけど未プレイ)、

台湾の返校 -Detention- 然り、

アメリカのDoki Doki Literature Club然り(これはアメリカのって感じではないけど)。

他にもありますかね?あったら是非やりたい。

 

明日は続きを進めて、クリア後には改めてレビュー書きたいですね!