新作『DeathGarden』が流行らないと感じた3つの理由
8/15、Steam早期アクセス販売として『DeathGarden』がリリースされた。
本作は今なお人気の非対称型対戦ゲーム『Dead by Daylight』のチームが制作した新作ゲームだ。
ジャンルはもちろん非対称型対戦ゲーム。
そして、今回はシューティングがメインとなる。
鬼側のハンターがFPS視点、逃げる側のランナーがTPS視点はDBDと同じだ。
さらに本作はリリースから1週間無料プレイが可能。
DBDの人気があるうちに新規プレイヤーを獲得するつもりなのだろう。
だがしかし、数日が経った今もあまり話題にはなっておらず静かなもので
Twitchの配信チャンネルも期待の新作としては配信数が少なく、むしろDBDのイベント配信の方が盛り上がっている程だ。
私もクローズドβと無料期間中に本作をプレイしたが、すぐにプレイをやめてしまった。
本稿ではこの『DeathGarden』がなぜ流行っていないのか
個人的な見解を述べてみようと思う。
プレイヤー層の縮小
本作はシューティングがメインとなっている。
ハンター側はもちろんランナーをやっつけるために撃ちまくる。
ランナー側も情報の共有やハンターの妨害に撃ちまくる。
このシューター要素がプレイヤーの追加を阻害しているといっても過言ではない。
流行るゲームというのは総じて参入障壁が低い。
それは触ってすぐ楽しみ方が分かるゲームは続けてもらいやすいからだ。
LoLはマウスクリックで攻撃ができるし1ボタンでスキルが発動する。
スプラトゥーンはエイム力がなくてもマップを塗って戦うことができる。
それこそ、『コントローラー操作が可能』ということも参入障壁の低さに語られる。
しかし、コントローラー操作にも弱点がある。
それがシューティングだ。
正確に狙い撃つ行為に対してコントローラー操作はグッと操作難度があがる。
いや、マウス操作ですら正確に狙い撃つ行為が苦手な人達もいる。
走っている最中に常にエイムを意識する。
それだけでただ走る行為の操作難度や心的負担があがってしまうのだ。
エイムが必要というだけでゲームを敬遠してしまうプレイヤーは少なくない。
エイムを必要としないDBDを楽しんでいたとしても
本作のシューター要素を敬遠してしまいプレイを辞めてしまうプレイヤーもいる。
せっかくDBDで手に入れた広いプレイヤー層を自ら手放してしまっているのが現状だ。
ありふれたビジュアル
本作は、とある惑星で俊足なランナーとそれを狩るハンターというブラッドスポーツが行われているという近未来設定だ。
そのため舞台は木々や野草が生えたフィールドにSF感漂うオブジェが設定されている。
このビジュアルが相当につまらない。
SF感もありふれたもので珍しくもない作り込み。
このビジュアルを配信で見てみんなが興味を持つだろうか。
DBDの場合は、ダークな世界観に残虐表現、襲ってくるキラーというホラー要素がとてもキャッチ―なビジュアルだ。
すると、ゲームが分からなくても何かすごいゲームをやっているぞと興味を持つものである。
今時、流行りのゲームを作るにはどうしても配信で映える作りも考慮する時代にきていると思う。
LIVE映えだ。
インスタ映えを馬鹿にしている場合ではない。
最強の口コミを手に入れるにはLIVE映えが必要な時代なのだ。
ただDBDの時に問題となった残酷表現を回避したかったように見えなくもない。
ランナーを撃っても血は出ないし、これはスポーツなので健全ですよアピールだ。
DBDの時に早々堪えたことがあったのだろうか…
とりあえず
本作のビジュアルは全くもってLIVE映えしない。
これは客観的事実だ。
そのため、口コミでのプレイヤー獲得は相当に厳しいものがあるだろう。
シューティングと非対称型対戦ゲーム
非対称型対戦ゲームは最初から歪な構造をしている。
基本的には少数派が強い力を持ち、多数派が人数の結束を持って戦うことができるという構造だ。
このバランスについてはどの非対称型対戦ゲームであっても頭を悩ませるところだ。
本作はハンターだけ撃ち倒せる銃を持っていて、ランナーは支援や妨害がしかできない。
つまり、ハンターは常に逃げ続けるキャラクターを撃つことになる。
これはエイムの苦手な初心者がシューティング嫌いとなる要因だ。
まず初心者は止まっている的ですら正確に撃つことはできない。
ましてや動いている人間等もってのほかだ。
さらに、ここに妨害が混ざってくる。
撃とうとするとスタン、動き出してもスタン、スタン。
とにかくスタンさせられまくってまともに前が見えない状況となる。
ただ一方的にスタンで何もさせてもらえないというのはプレイヤーにとってかなり大きなストレスだ。
ただでさえ1vs5という状況でハンター側はストレスを与えられやすい立場でもあり不人気だ。
そこにゲーム側からストレスを与えられ続けてはプレイヤーも辞めていく。
そして、ランナー側にも悪いところがある。
それは「遠くから撃ち殺される」ということだ。
なぜならランナー側には支援や妨害しかなく、反撃できる手段はない。
その反撃の手段を持たないということは逃げる隠れるしかないということだ。
だがハンターは遠くから銃を撃ってくる。やられる。
相手が上手かったら一方的に理不尽に負けた、と感じてしまうのだ。
本作はゲームをプレイしてみると、弾が全くあたらずに延々とスタン攻撃を食らってランナーを全員逃がしてしまう試合とハンターが一方的にランナーを蹂躙する試合しか存在しない。
現状では、この一方的な試合しか存在しない状況がシューティングと非対称型対戦ゲームの歪な構造によってもたらされているのである。
まとめ
現状、本作は非対称型対戦ゲームにシューティング要素を入れた時点でDBDにあった良さが悉く消えてしまっていると感じた。
もちろんDBDが正解というわけではない。
むしろ悪い点も多々あるのだが、少なくともDBDは最初からプレイヤーの心を掴む手軽さと中毒性については一級品だった。
『DeathGarden』にはその2つが見つからなかった。
だから私は『DeathGarden』は流行らないと感じた。
しかし、別に私は本作をやり込んでいるわけではない。
もしかしたら、やり込めばやり込むほど楽しい箇所が現れてくるかもしれない。
それこそクラスや主要なパークの理解度が深くなってからが本番かもしれない。
もし、今後その楽しさが世界に伝わり、そして盛り上がっている光景を目の当たりにしたならば、その時は私も再度プレイしなおしてみたいと思う。