ストラスちゃんネット

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ゼルダの伝説BotWとスーパーマリオ オデッセイの違いを「筋トレ」で例えてみた

2017年は任天堂から素晴らしいゲームがたくさん発売された。
その中でも特に評価の高かった2作品がある。

それが
『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』
『スーパーマリオ オデッセイ』
である。

(以降、『ゼルダ』『マリオ』とする)

 

上記2作品は私も購入し、特にマリオを楽しませてもらった。

私は、私のせいで、オープンワールドが苦手だ - ストラスちゃんネット

※ゼルダについてはこの記事で記載した通り、あまり楽しめなかった

 


しかし、評価がどちらも高得点であるのに対して
マリオを遊んだユーザー(特にコアゲーマー)の評判はそれほど好意的なものばかりではなかった。

というのも後発であった『スーパーマリオ オデッセイ』は、先発の『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』からの期待値が凄まじく、比較ありきの評価が増えてしまったからだ。

 

もちろんゼルダはGOTYを獲得するほど素晴らしいゲームであったため、良い意見がゼルダに寄る事は分かる。
しかし、ゼルダと違うからマリオが劣っているという間違った比較評価には納得がいかなかった。

というのもゼルダとマリオは似ているようで別々の良さを発揮している作品だからだ。

 

本稿では2作品間で比較されがちな箇所を
筋トレで例えて説明しつつ、魅力の違いについて訴えていきたい。

 

 

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ちなみにこの記事を書いたのはただのノリで
実際の私はヒョロヒョロのもやしだ。

 

 

 

 

 

まず、本題に行く前になぜ筋トレに例えるのかという話をしよう。

実は筋トレとゲームは快感を得る過程が同じである。

何を言っているのか分からないという方にお教えしよう。


筋トレは
『自身を鍛えて筋肉を肥大化させることで快感を得る』


ゲームは
『ゲーム内で苦労を乗り越える(成長する)ことで快感を得る』


自ら苦労をして、成長を遂げ、達成感を得られるという過程だけを見れば
ゲームと筋トレは同じ行程で快感を得ているのだ。
※一個人の意見です。学術的根拠は1ミリもありません。

 

 


では、本題に移ろう

 


最初にゼルダとマリオはSwitchで発売され、共にゲームソフトを購入して遊ぶタイトルである。
これを筋トレに例えると…

 

 

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スポーツジムだ。


お金を払い、より効率よく快感を得るために施設を利用する。
これはお金を払い、ゲームをプレイし快感を得ることと同じだ。

 

 


ちなみに基本無料のソーシャルゲームはこうだ。

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自宅でとにかく時間をかけて筋トレをする、そして無料だ。

中には課金してる人もいるだろうがそういう人達は

こういうマシーンを買っているということだ。
ちなみにこの腹筋マシーンで成果が得られるかどうかは私には分からない。
その成果不明な点もソーシャルゲームとよく似ている。

 

 


以降もこんな雰囲気で進めていくのでよろしく頼む。

 

 


まず2作品のゲームプレイの自由度について

ゼルダでよくある意見は
・オープンワールド
・広大なフィールド
・何でもできる自由度

 

対して比較されたマリオに出てくる意見は
・箱庭
・思っていたより狭い
・決められたマップ内だけの自由度

 


これらの意見をジムに置き換えてみるとこうなる。

 

ゼルダ
・会員登録することで他地域の同グループジムもご利用いただけます
・同グループジムは都内を中心に続々店舗を拡大中!
・会員登録後はお好きにトレーニングしてください
 ヨガ等のトレーニングをする方のためにフリースペースもご用意しております

 

とにかくどこでもトレーニングすることができて
フリースペース完備による圧倒的自由度。
至れり尽くせりなサービス満点のジムである。

つまり、ゼルダは“JOYFIT24”だ。



マリオ
・会員登録することで当ジムのみご利用いただけます
・都内ではアクセスの良い地域で数店舗経営しております
・会員登録後は当施設内の器具を使いお好きにトレーニングしてください

 

とにかくトレーニングをする事に重きを置いた信頼あるジム。
思っていたより店舗は少ないが、施設内は抜群の設備。

マリオは“ゴールドジム”だ。

 

 

ジム名でピンとこなければGoogle検索をしてくれ。

 

 

比較して分かるように
両作品の自由度に対してはアプローチが微妙に違う。

 

説明は難しいがあえて言葉で表現するとしたら
ゼルダは『広い自由度』
マリオが『高い自由度』だ。

 

横と縦だ。

 

 

さすがにオープンワールドに比べたら狭いと感じるかもしれないが、マリオはプレイしてみると驚くほど“自由さを感じる”ということを知ってもらいたい。

 

筋肉を鍛える方法も多種多様あるということだ。

 

 

次は“フィールドレベルデザイン”について

フィールドレベルデザインとはプレイヤーに楽しんでもらえるように考えられたフィールド設計の事である。

ゼルダのフィールドレベルデザインについてはCEDEC2017の記事を読んでいただきたい。

www.4gamer.net

4gamer様のレポート記事にこのような内容が書かれている。

「ゲームシナリオ側の都合や強制感」をそれほどは感じさせず,プレイヤーは「自分の意思で経路を選んでいる」「探索している」と確信させつつも,実はゲームシステム側に都合よく動いてもらえているような,何かいい仕組みはないか。
その結果として生まれたのが,「引力」という概念だそうだ。

もちろん,引力と言っても万有引力のことではない。

藤林氏は,「プレイヤーにとってお得であるがゆえに,そこに向かいたくなってしまう力」を引力として定義していた。 

 

この引力の感覚に覚えはないだろうか?

 


そう『ポスター』だ。

 

筋トレ中に何げなく目にするポスターには筋トレのための情報がたくさん載っている。
「新作プロテイン」や「お家でもトレーニング!」とか書かれているとつい試してみたくなるだろう。

ランニングマシーンの前にはランニング中に使えるスポーツ用Bluetoothイヤホンの宣伝。
腕や足を鍛える器具の近くにはダンベルのポスター。
そして更衣室にはスポーツウェアやタオルの広告。

このように適切なポイントに適切な広告を設置することで、自ら興味本位で筋トレの効率を格段に上げてしまう。

 

これがゼルダの引力だ。

 

 

ではマリオのフィールドレベルデザインはどうだろうか?

マリオの目的はマップに散らばる“ムーン”を集めることにのみ注力している。
プレイヤーは見えたムーンを拾いに行く。すると、別のムーンを見つける。
次のムーン、また次のムーン、と集めていくことで
「あれ?ここにもムーンがあるんじゃね・・・?」と隠されたムーンの場所を考えさせるように設計されている。
そして、隠されているムーンは総じてアクション難易度が高い。

一目で分かりやすいムーンを集めさせることで道筋やマリオの遊び方を説明した後
あえて道筋を外れたプレイヤーに難しい遊びを提供させる。

 

 

 

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これは『ジムトレーナー』だ。 

 

 

ムーンはジムトレーナーが掲げる目標設定だ。

例えば足場から落ちずに歩けば入手できるムーンは
「まずは腕立て伏せ10回をしてみましょう」とトレーナーから指示される。
とても簡単なトレーニングだ。

さらに足場を細い箇所にムーンがあれば
「次は姿勢を意識して10回やってみましょう」
トレーニングの精度をあげてくる。

足場のところどころが切れていてジャンプしないと渡らないといけないならば
「では10回1セットを3セットやってみましょう」
より精度の高いトレーニングを提案してくる。


そこまで筋トレをすると次にプレイヤーはトレーナーに質問をしたくなる。
「もしかしてこれって毎日やれば筋肉がスゴくなりますか?」

するとマリオのトレーナーは笑顔でこう返してくる

「そんな筋肉をモリモリさせたいあなたのために特別メニューをご用意しました」

 

徐々にトレーニングを重ねて、慣れてきたらハードな筋トレをしたい!という方はマリオが好みになる。
最初から自分でやりたいハードな筋トレをしたい!という方はゼルダが好みになる。

ゼルダは放任主義で、マリオは専任主義だ。自主性の育て方に違いがあるのだ。


だが勘違いしてはいけない。

もちろん、ゼルダにもトレーナーはいるしマリオにもポスターはある。
双方ともプレイヤーの好みに合わせてフォローする体制が整っている。

最初からハードな筋トレをしたくなればマリオだってできる。
徐々に慣れながら筋トレをしたくなればゼルダだってできる。

 

この2作品は筋トレ初心者と筋トレプロ、両者を満足させたから万人に評価が高いのだ。

 


だがしかし、あえて問題点をあげるとすればマリオのトレーナーがあまりにも有能すぎる点だ。

序盤から物凄い勢いで基礎トレーニングを薦めてくる。
すると、ハードな筋トレをしたいユーザーは萎えてしまうのだ。


「あー、トレーナーうざいしトレーニングもつまらねー」と。
ここがコアゲーマーの評価値を下げてしまっている傾向にある。

そして低評価レビューに「やらされてる」「一本道」「簡単」と書く。

この言葉が書いてあるレビューは信じるな。
信じていい低評価レビューは“ピーチ姫がビッ〇”と書かれているやつだ。

 


もっと色々な筋トレを楽しんでいけ。

 


ゲームとしての楽しさについて
どちらも楽しいで済ませてしまうのが一番簡単だが、ここもあえて筋トレで例える。


まずゼルダだ。
ゼルダはその究極的な自由度だけでなく、あたかも自分がそこにいるような世界観も多くの人を魅了した。
ゼルダのジャンルをオープンエアと呼んでいるのは、この世界観の構築による一体感を指しているのだろう。

ゼルダの楽しさは自由や世界を感じるとても純粋な“生の喜び”だ。

とどのつまり

 


『自分で試行錯誤して筋トレしてきた結果、いつの間にかめっちゃ筋肉ついた』だ。

 


ああすれば痩せるかな?
こうすれば筋肉つくかな?
ポスターのに載ってたプロテインとバナナを合わせるのはどうだろう?


こうして自身でトレーニングを試行錯誤した結果、自然と筋肉も応えてくれる。

それがゼルダだ。


もちろんトレーニングは失敗もある。
料理をしたけど失敗だった。登ろうとしたけど、落ちてしまった。
やってみて成果を得られないことはたくさんある。

しかし“試してみたけどダメだった事”は“やってはいけない事”ではない。
失敗だってトレーニングだ。

 

自分に合う筋トレを見つける幸せ
自分だけが紡ぎだせるゲーム体験が

『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』にはある。


試行錯誤で筋トレしてきたプレイヤーは自分の筋肉をさぞ愛おしく感じるだろう。

 


そしてマリオだ。
マリオはムーンという分かりやすい目標に向かってまずマップを歩くことになる。
そして見つけやすいムーンを集め終えマップを見るとこう書かれている。
取得したムーンの数 22/43
プレイヤーは「マップ全部回ったと思うけどまだこんなにムーン残ってるの?本当に?」と疑うが、もちろん全部ある。
隠されたムーンは近くで簡単に取れたムーンの時に使用したアクションの応用版が用意されている。
そうした様々な目標へプレイヤーが挑戦すれば、必ずムーンやコインという報酬を用意している。
すると、次のムーンを探す事が一気に楽しくなってくる。
様々なアクションに挑戦することが楽しくなってくるのだ。


とどのつまり

 


『トレーナーと二人三脚で筋トレしてたら、トレーニングを頑張った分だけトレーナーにめっちゃ褒められる。』だ。

 


腕立て伏せをすれば
「よくできました。次はこういうトレーニングはどうだい?」

ランニングマシンでランニングをすると
「もう走っているのかい?この前はウォーキングだったじゃないか!なんて成長速度だ!」

ベンチプレスで40kgあげると
「前は30kgだったのに!ビューティフル筋肉だ!もう少し筋トレを続けて50kgにも挑戦してみよう!」

そして人間、褒められれば調子に乗る。
調子に乗れば、よりトレーニングをしたくなる。


トレーニングの楽しさ

アクションゲームが上手くなる楽しさを教えてくれるのが
『スーパーマリオ オデッセイ』なのだ。


筋トレの楽しさを覚えればムキムキの筋肉はあっという間だ。

 


最後に
『ゼルダ』と『マリオ』は自由度やフィールドレベルデザイン、そしてゲーム自体の楽しさを比較されがちだ。
だが両作品では、自由度の体験やフィールドレベルデザインの手法、楽しみ方についてれっきとした違いがある。
相対評価するところではない。

今回あえて比較をしたのは、そうした“比較の勘違い”を減らすためだ。

 

ムーン集めとコログ集めは同一のものではないのだ。


それを分かって欲しかった。

 


この記事が両作品について正しく可笑しく知る機会となれれば幸いである。

 

 

 

余談

少しネタバレになってしまうが、マリオの最後には
作品内のアクション成分が存分に詰め込まれた集大成のようなステージがある。

さながらビリーズブートキャンプだ。

もういきなりビリー(開発)は1週間かかさずハードな筋トレのようなステージを遊べと強要してくる。
しかも1日サボったら初日からだ。
正直めちゃくちゃ辛い、難しい。

しかし、その1週間のハードな筋トレを終えるとビリーはこう言うのだ。

「おめでとう!そしてこの1週間、私についてきてくれてありがとう!」

 

 

「トレーニングはとても過酷だ。君にはこの1週間が永遠の地獄に感じたかもしれない。」

 

 

「だが君はやりきった!このキャンプを最後までだ!誇っていい!」

 

 

「辛い時はいつでもこのビリーズブートキャンプを思い出すんだ、いいね?」

 

 

「じゃあ、最後は一緒にあのセリフを言ってお別れだ」

 

 

 

「いくぞ!」

 

 

 

 

 

「「ヴィクトリー!」」

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このビリーの言葉が本当に最高なんだ。

※スーパーマリオオデッセイの話です

 

スーパーマリオ オデッセイ - Switch

スーパーマリオ オデッセイ - Switch