『グノーシア』―終わりなき輪廻の果に―
ご無沙汰です。
とても面白いゲームをプレイしたので感想を記録したいと思います。
それはVITAで先日発売されたDL専売のグノーシアというゲームです。
私はノベルゲームには目がなく、本作の紹介記事を見てすぐに飛びつきました。
結果は大正解でした。
私は物語が好きです。面白い物語を読むことは生き甲斐です。
エンディングを見た後、グノーシアは私の心に留めておくべき物語の一つだと確信し、ここに筆を取りました。
魅力について語りましょう。
本作をプレイした時に思い出したのは、恋愛シミュレーションゲームでした。
個性豊かなキャラクター達がいて、人狼を通しての会話や反応から性質を読み、固有のパラメータを推測します。
あぁこの子は理知的で敵にすると厄介だが味方にすると頼もしい。二人で理詰めで勝利を得ると最高にハイになれる。
あの子は感性で動くから御しやすいがたくさんの嘘をつく。信じると裏切られるのだけど信じた末に迎える破滅もまた美なり、と。
その子はいつでも私を信じてくれる。たとえ敵でも味方でも。
ゲームを繰り返すごとにこちらのステータスは伸び、キャラクターの攻略を学びます。
そしてそれはそのまま、人狼ゲームの攻略に繋がります。
半ば運だった人狼も、性格を学びパラメータを知ることで確度が上がります。
知ることと効率と進捗がシームレスに連携しているのです。
ループのさなかにも豊富にある会話パターンやイベントで飽きさせません。
特定のシチュエーションを達成することで一人ひとりのイベントを回収し、それぞれのエンディングを見て行きます。
システムから逆算して作られたシナリオが、見事に作用していて気持ちいいのです。
その真骨頂は……。
結末は一見に如かず、是非果てしなきループの終りを見てきて欲しいのです。
偶然が生んだ必然は美しい方程式を紡ぎます。
熱意は時にこうして完璧にマッチしたシナリオとゲームシステムが生み出す奇跡を起こすのです。
グノーシアはそれら完璧な作品の一つだと言えるでしょう。